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整体のお話 肩甲骨: 2018年6月

肩こり解消に効果的なストレッチ&トレーニング③ 菱形筋編



あんたの肩こりの原因は菱形筋かもしれません!

肩こりに関係する筋肉で僧帽筋肩甲挙筋と書きました。
この二つの筋肉は、首から背中にかけてついている筋肉ですが、そこに
もうひとつ大事な筋肉があるんです。
 
それは、菱形筋です!!
 
菱形筋は、肩甲骨の内側から脊柱についていて、広背筋や僧帽筋の
深層部にある筋肉です。この菱形筋も肩こりに関係しているんです。
 
 
まだまだ、肩こりに関係する筋肉はあるので、ご興味がある方は読んで
みてください。
 
肩こりに関係する筋肉 菱形筋

1.菱形筋の構造

 
●菱形筋には、小菱形筋と大菱形筋があります。
 
 
●小菱形筋   起始 第6~7頸椎の棘突起
 
        停止 肩甲骨の内側縁上部
 
        作用 肩甲骨の内転、拳上、下方回旋
 
 
●大菱形筋   起始 第1胸椎~4胸椎の棘突起
 
        停止 肩甲骨の内側縁下部
 
        作用 肩甲骨の内転、拳上、下方回旋
 
運動貢献度
  肩甲骨内転 肩甲骨下方回旋 肩甲骨拳上
1位 僧帽筋(中部) 大菱形筋 僧帽筋(上部)
2位 大菱形筋 小菱形筋 肩甲挙筋
3位 小菱形筋 小胸筋 大菱形筋
4位     小菱形筋
菱形筋が収縮すると、肩甲骨を内転させる働き(肩甲骨を背骨に
引き付ける)をします。
肩甲骨の内側縁下の方を上に引っ張るので、肩甲骨の下方回旋させる
働きもあります。
 
 

2.菱形筋が弱っていると猫背になりやすい

近年、職場でのパソコン作業が増えてデスクワークが増加しています。
それと同時に、スマホの普及もどんどん増えていて、このブログを
読んでいる方もスマホで読んでいるのではないでしょうか。
 
このデスクワークやスマホを見ている姿勢が、猫背といった不良姿勢に
なっていることが多いと思います。
 
猫背は、肩甲骨が外転位(肩甲骨を外側に離す)に保持された状態になり、
胸椎(肩甲骨の間の背骨)が過後湾(背骨が後ろに丸くなる)しています。
 
外転位が続くと菱形筋が伸ばされ、虚血状態になり、それが続くと慢性的な
不良姿勢と変化を起こすことになるんです。
 
そして、デスクワークなどでカラダの前で何かの作業をしていると
大胸筋(胸の筋肉)が過度の緊張状態になっていることが多く、大胸筋の
緊張が続いて短縮してしまうと、常に肩を前方に引っ張ってしまう為、
その反対側にある菱形筋が働きずらくなります。
 
もしも、菱形筋が筋力低下していると、大胸筋に引っ張られてしまい、
猫背が加速して不良姿勢になるということです。
 
 

3.菱形筋は肩甲骨の安定と肩こりに関係する

肩甲骨は肩甲胸郭関節により、肋骨の上で結合しています。
肩甲胸郭関節は、肩関節や膝関節とは違って、骨と骨で連結していなくて、
安定性が保たれていません。
 
つまり、宙に浮いている状態で固定されているんです。とは言っても筋肉で
安定しているんですけどね。
 
骨の連結がなく、筋肉で固定されているということは、肩甲骨は非常に
可動性の高い骨であると言えます。肩甲骨がガチガチに硬くなっていると
腕をが自在に動かすことが難しくなり、生活に支障がでます。
 
宙に浮いている肩甲骨のポジションや安定性に関係しているのが、菱形筋
なんです。他にも僧帽筋や肩甲挙筋、前鋸筋、小胸筋、肩甲下筋があります。
 
これらの筋肉が過緊張を起こしたり、筋力低下を起こすと肩甲骨の
ポジションが変化し、不安定が増大します。
 
不安定が増大すると、肩甲骨を安定させようと筋肉が緊張するという
悪循環に陥ってしまうのです。
 
それが、肩こりとなって出現しています。肩こりの多くは、肩甲骨の
位置が下がっていたり、肩甲骨が外転し肩が前に出ているなどの肩甲骨の
位置に問題があることがとても多いんです。
 
 

4.菱形筋ストレッチ

ストレッチは、筋肉を伸ばすことを言いますが、菱形筋は先ほども
言いましたが、猫背の姿勢になっていると常に伸ばされている状態で
血流が悪くなっていることが多いので、菱形筋のストレッチと緩める
ストレッチの両方をすると効果的です。
 
①伸ばすストレッチ
 
 
胸の前で手を組み,そのまま腕を前に伸ばしていき、肩甲骨と肩甲骨の
間が伸びているのを感じましょう。呼吸も忘れずに!
30秒行いましょう。
 
 
②緩めるストレッチ
 
 
胸を張って、カラダの後ろで手を組みます。そのまま、胸を前に突き出す
のと同時に、腕を少し上にあげていきます。腕を上げ過ぎてしまうと
力が入ってしまうので注意しましょう。緩めることが大事なストレッチ
なので、力を抜いてリラックスを心がけてください。

 

5.菱形筋トレーニング

菱形筋は、筋力低下していることがよくあるので、しっかりとトレーニング
しておくと、猫背の防止にもなってきます。
 
 
うつ伏せで寝た状態から、肩を90度に曲げて、肘も90度に曲げます。
床から肘を浮かせるように真上に上げていきます。肘を浮かせたまま
10秒から15秒保持します。この時に肩甲骨を内転(背骨に近づける)させる
意識が菱形筋に効いてきます。左右交互に行いましょう。
 
 

6.まとめ

菱形筋は、肩甲骨を背骨に引き付ける役割をしています。その役割が
できなくなっていたり、肩甲骨のポジションがしっかりできていないと
猫背の姿勢になりやすくなり、肩こりなどの症状に繋がります。
 
あなたの肩こりは菱形筋が原因かもしれません。
 
ストレッチやトレーニングを参考に、効果を実感してみてください。
 
もしも自分では、どうしようもないぐらい辛い肩こりの方は、ご相談
ください。
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この記事を書いた人



 沖縄生まれ沖縄育ち
カラダがつらい時に頼れる存在です。
 佐久眞 正己
Masami Sakuma

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