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【平背(へいはい)】──腰が反らないあなたへ。実は"猫背より深刻"な姿勢の話

「猫背はよく聞くけど、“平背”ってなに?」
そんな声をよく耳にします。
実は、整体の現場では猫背よりも深刻なケースとして増えているのが、この「平背(へいはい)」です。
背骨の自然なカーブが失われ、まっすぐすぎる背中になってしまう状態のこと。
一見「姿勢が良い」と勘違いされやすいのですが、実は、体にさまざまな不調を引き起こします。
■ 平背とは?──S字カーブを失った“硬い背骨”
私たちの背骨は本来、横から見ると「S字カーブ」を描いています。
首の前弯(ぜんわん)・胸の後弯(こうわん)・腰の前弯。
この3つのカーブがあることで、重力や衝撃を吸収し、体を支えてくれているのです。
しかし、長時間のデスクワークやスマホ操作、呼吸の浅さ、ストレスによる緊張などが重なると、
筋肉が固まり、背骨が“まっすぐに固定”されていきます。
これが「平背(へいはい)」です。
見た目は姿勢が正しく見えるかもしれません。
けれど、S字カーブを失った背骨は、まるでバネのない釘のように衝撃を吸収できず、
腰痛・肩こり・首こり・自律神経の乱れを招きます。
■ 平背の人に多い症状とサイン
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仰向けで寝ると腰が痛い
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背中が板のように硬い
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呼吸が浅い、息苦しい
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ストレートネックと言われた
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姿勢を正そうとすると余計に疲れる
これらのサインがあれば、すでに“平背傾向”かもしれません。
特に「呼吸の浅さ」と「腰の重さ」がセットで起こっている人は要注意です。
■ なぜ“平背”になるのか?──筋膜と呼吸の関係
平背を作る大きな要因のひとつが「筋膜(きんまく)」の癒着です。
筋膜とは、筋肉を包む薄い膜で、全身をボディスーツのようにつないでいます。
この筋膜が固まると、背骨の動きが制限されて、自然なカーブが作れなくなります。
さらに、呼吸の浅さも大きな要因。
横隔膜(おうかくまく)が十分に動かないことで、胸郭(きょうかく)や肋骨まわりの筋肉が硬くなり、
背中が丸まったり平らになったりします。
これはストレスによって交感神経が優位になり、体が常に“緊張モード”にある人ほど起きやすい傾向です。
つまり、平背は“筋肉だけの問題”ではなく、“呼吸と神経の問題”でもあるのです。
■ 放置するとどうなる?──「平背」から始まる悪循環
平背を放置すると、腰や背中への負担が増え、
▶️ 慢性的な腰痛
▶️ 呼吸の浅さからくる自律神経の乱れ
▶️ 血流低下による冷えやむくみ
▶️ 背骨の可動性低下による老化の加速
といった悪循環が起こります。
また、平背の人は「姿勢を正そうと頑張る」傾向がありますが、実はそれが逆効果。
硬くなった筋肉をさらに緊張させ、痛みを助長してしまうこともあります。
「正しい姿勢」は“力で作るもの”ではなく、“しなやかに支えるもの”。
その柔軟さを取り戻すには、まず“ゆるめる”ことが大切です。
■ 平背改善のカギは「ゆるめて、呼吸を取り戻す」
整体の現場では、背骨だけでなく、
・胸郭(呼吸の動き)
・骨盤(体幹の支点)
・足裏(全身バランス)
を整えることが重要です。
リリース整体で、背中〜腰〜骨盤の動きを引き出し、
呼吸に合わせて神経の緊張をゆるめていくと、自然にS字カーブが戻ってきます。
多くの方が施術後にこう言います。
「息が深くなった」
「姿勢がラクに保てるようになった」
「夜ぐっすり眠れるようになった」
体の変化は、心や睡眠にも波及していくのです。
■ セルフチェック:あなたの背中、大丈夫?
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仰向けで寝ると背中全体が床にペタッとつく
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胸を張ろうとすると首が前に出る
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深呼吸しても胸があまり動かない
この3つのうち2つ以上当てはまれば、“平背予備軍”の可能性があります。
まずは日常生活で「呼吸を深める」「長時間同じ姿勢を避ける」「お風呂で背中を温める」
ことから始めてみましょう。
■ 最後に──「姿勢」は、あなたの生き方の鏡
姿勢は、心と体の状態を映す鏡。
「背中がまっすぐ=良い姿勢」とは限りません。
本当に整った姿勢とは、“力を抜いてもまっすぐ立てる”こと。
それは、頑張りすぎていた自分を手放すことでもあります。
もし今、背中や腰に違和感を感じているなら、
それは体が「もう無理をしないで」とサインを出している証拠かもしれません。
放置せず、一度しなやかな姿勢を取り戻すお手伝いをさせてください。
青葉台ちゅ楽では、平背・猫背・反り腰などの“姿勢タイプ別アプローチ”を行い、
あなた本来の「軽やかに動ける体」へ導きます。